【書評】孫正義と柳井正が尊敬する経営者!誰もが天才と認めたその男とは?「Den Fujitaの商法」
日本マクドナルドを創業した男
みなさんは藤田田という人物を知っていますか?藤田田はタイプミスじゃないですよ。
ふじたでんと読みます。
東京大学法学部を卒業して「藤田商店」を起業。
そして、マクドナルドの創業者と面会した際に、直々に日本マクドナルドの社長になってほしいといわれた人物です。
これを承諾した藤田はマクドナルドとともに生きていくことを決意します。
ハンバーガーを食べるという文化がなかった当時の日本で「マクドナルドは成功しない」という声が大多数でしたが、前評判を覆して見事に大成功させました。
そんな彼の経営哲学はとてもユニークです。
経営者としては異質の存在で、常識にとらわれない柔軟さがありました。
学生時代からGHQで通訳のバイトをしていたこともあって語学が堪能で、グローバルな視点をいち早く持っていた人物です。
ユーモアもあり、日本マクドナルドの社長として、アメリカのTVに出演した際は大爆笑を巻き起こし、後日様々な番組から出演依頼が殺到したぐらいです。
並外れた商才の秘密とは・・
彼がなぜ日本マクドナルドを大成功させられたかというと、その一因にユダヤ人の存在があります。
ユダヤ人といえば今や世界を牛耳る人々です。
お金に関して豊富な知識を持つ彼らと、通訳のバイトを通して交流することによって、彼のお金に対する素養が磨かれたといいます。
これはオリラジの中田氏がやりすぎ都市伝説で藤田田について語った時のシーンです。
非常に面白いのでお勧めです。
この動画では「78:22の法則」というユダヤに伝わる法則が披露されています。
あらゆる重要な出来事は78:22に分かれるということです。
例えば、空気中の窒素の割合が78%なのに対してとその他の気体の割合は22%です。
この法則を利用して藤田田は大儲けをしました。
当時、390円で買えるサンキューセットを販売していたマクドナルド。
500円硬貨が普及し始めた当時ですから、客は500円払ってサンキューセットを買います。
するとおつりは110円。390円のものを買っておつりは110円。390対110。これは実は78:22なのです。
他にもこの動画には孫正義とのエピソードなどもあるのですが、動画の解説はここまでにします。
彼のお金に対する知識、先を見通す目は並外れたものがあります。
そんな彼の哲学がギュッと詰め込まれた濃厚な本「DenFujitaの商法」からいくつかの考えを紹介したいと思います。
藤田田のビジネス哲学
マクドナルドは藤田田が命名した
マクドナルドの英語表記は「McDonald's」です。
日本人は「マクドナルド」と読んでいますが、外国では「マクダーナルズ」と発音します。
当初、日本でもマクダーナルズという企業名でビジネスをするつもりでした。
しかし、これを変え現在のマクドナルドという読みにしたのが藤田田です。
日本語というのは、三音か五音か七音で成立している。
三音か五音か七音で音が切れない”マクダーナルズ”では、日本人には受けない。
日本で事業したいのなら、三音で切れる”マクド/ナルド”にすべきだ
マクドナルドとマクダーネルズ。
名前の違いが成否を分けたのかはわかりませんが、こういう細かい部分まで考慮できるのはすごいですよね。
女と口を狙え!
藤田田はビジネスは究極のところ二つのターゲットを狙えば商売は成功するといっています。
そのターゲットとは「女」と「口」です。
女はだれもみな、美しくなりたいと思っている。化粧をして飾り立てれば美しくなると思い込んでいる。
(中略)これはいうならば女が神様から与えられた「負の遺産」である。
だから、女がその「負の遺産」を持ち続けている限り、女は狙いやすい。
妖しくきらめくダイアモンド、指輪、ブローチ。ネックレス、ブランド物の高級ハンドバッグ、豪華なドレスや流行の先端をいくファッション、高級化粧品ーそれらのすべてが、あふれるばかりの利潤をぶらさげて待っているのである。
藤田田の名誉のために言っておきますが、彼は男尊女卑の人間ではありません。
社員の妻にもボーナスを与えるぐらいの人物ですから。
彼が言っているのは日本の社会的、そして本能的に女性の方がお金を使いから女性を狙った方がいいよ、という話です。
結婚すると家計を任せられるのは大体女性ですよね。
お金を多く使えるのは女性なわけです。そうすると女性をターゲットにした商品の方が儲けられる可能性がある。そういう話です。
そしてもう一つは上で引用したように、女性の本能的な欲求です。
確かに女性はファッション、美容に対して並々ならぬ興味がありますからね。
女性の服の方が、マーケットが大きく大量生産されるので価格が安くなるというのはいかに女性がファッションに興味を持っているかを表しています。
どれだけ着飾っても満足しない、無限に満たされない女性の願望。そこを突けば確かにお金を儲けることはできそうです。
カラスは白いことを証明できるか
「カラスが黒い」のは当たり前の話である。
じつは「カラスは白い」のである。
あなたは「カラスは白い」ということを証明できますか。
私は「カラスは白い」ということを証明できる人間でなければ、この資本主義社会では生きていけない、と思う。
カラスは黒い、1+1=2である、というような当たり前のことを言う人間では儲けられないといいます。
すべてのセールスの基本はこの「カラスは白い」が基本になっている、というのが藤田田の考えです。
確かに、どんな商売でも共通することは、客が商品にもつ認識を変え、それを買っても良いというというものに変えることです。
「カラスが白い」ということを証明できれば、確かにどんな商品でも売れると思います。
テレビの企画で2000の形をしたメガネを凄腕実演販売士が売るという企画がありました。
2000年のミレニアムの時に流行ったものです。
今はもう何年も経っていますから当然需要はありません。
当然売れないだろうという予想でしたが用意していた分すべてが完売しました。
商品に対する認識を変え、客に買わせる。
このとき実演販売士が行っていたことはまさに「カラスは白い」を証明することでした。
商売は「ギブ・アンド・テイク」じゃない
「ギブ・アンド・テイク」と最初に行ったのはイエス・キリストだそうです。
キリストは宗教家であってビジネスマンではない。
聖書に空いてあることは宗教的には正しいが、ビジネスには使えない。
そう藤田田は考えているそうです。
実際に、世界の名だたるビジネスマンのモットーは「ギブ・アンド・テイク」ではなく、「テイク・アンド・アスク・フォー・モア」だと言います。
つまり、利益をもらった客に対してさらにもらう。
こういう考え方をしているそうです。
倫理的にどうなの?と思いますが、本当に儲けたかったら「ギブ・アンド・テイク」ではなく「テイク・アンド・アスク・フォー・モア」だそうです。
世界には金にキレイも汚いもない
日本人は「金」というと、すぐに「きれいな金」か「汚い金」かという。
金を儲けることを軽蔑する。しかし、そんな考え方が世界に通用しないことは言うまでもない。
資本主義社会では、金がすべてである。
金さえあれば、人生の問題の九九%が解決する。
それが資本主義というものだ。日本人はまず「金」に対する農本主義的な考え方を捨て、金儲けができないのはバカだと思うようにならなければいけない。
「金儲けができない人間はバカ」これは厳しい考え方ですね。
藤田田は学生時代からお金に苦労していたので、お金に対してこのような厳しい価値観が生まれたのかもしれません。
日本と世界との金に対する貪欲さの違い。それは藤田田は何度も文中で指摘しています。
上で述べた「テイク・アンド・アスク・フォー・モア」の通り外国の金に対する執着心はすごいそうです。
「ループホール」という法律の抜け穴を指す言葉があります。
外国にはこれ専門の弁護士がいるそうです(今は日本にもいるかもしれません)。
法律の穴を突くとなると日本ではズルいことをしているといわれますが、海外ではそうではないそうです。
「ループホール」を突かれるのは政府の責任であるから、つかれた方が悪い。そういう考え方なのです。
そういう厳しい考え方のある海外では「きれいな金」でなければならないというのでは、カモにされてしまします。
確かに良いことをして得たお金が、悪いことをして得たお金より良いと思うのは当然でしょう。
しかし「悪法もまた法なり」ではありませんが、「汚いお金もまたお金」と思わなければ今のグローバル社会は厳しいのかもしれません。
さいごに
藤田田の魅力が少しでも伝わりましたでしょうか。
ほかの経営者とは違う独自の視点を持った人物です。
こういう変わった人物の考えを知ることは、自分の視野を広げ、自分の考えを形作っていくうえで重要だと思います。
この記事で紹介した考えは「DenFujitaの商法」の載っています。
全4巻ですがテンポが良く非常に読みやすいです。興味を持った方は是非読んでみてください。
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